【貢川の家 工事日誌03】家族みんなで迎えた、地鎮祭の日
まだ建物のない敷地に、ご家族が集まりました。大人に交じって、小さなKくんの姿もあります。これから家が建ち、家族の暮らしが始まる場所で、みんなで迎える地鎮祭です。
2025年11月29日、貢川の家の地鎮祭を行いました。ご家族と施工者、設計・工事監理を担当するVent計画設計室が集まり、工事の安全を願いました。
地鎮祭のために設けられた祭壇。家づくりの始まりに、工事の安全を願います。
まずは手を清めて。Kくんも一緒です
敷地にはテントが張られ、祭壇が設けられました。建物のない土地に、式のための場所が整うと、これまで打合せや図面の中で考えてきた家づくりが、いよいよ現地で動き始めることを感じます。
まずは、柄杓から注がれる水で手を清め、式に臨む準備をします。
Kくんも一緒です。大人に手を添えてもらいながら、小さな手を差し出してお清めをしました。これからこの家で育つお子さんも、ご家族と一緒に家づくりの始まりを迎えました。
祝詞が始まり、気持ちが引き締まります
ご家族が祭壇の前にそろい、いよいよ祝詞(のりと)が始まります。普段の打合せとは違う、少し緊張する時間です。これから工事を行う土地を前に、無事に家をつくり上げられるよう願います。
この日は、ご家族だけでなく、施工に携わる方々や設計者も同じ場所に集まりました。住む人、つくる人、設計と工事監理を担う人。それぞれ役割は違いますが、一つの住まいに向かって進む、その節目となる時間です。
草刈り、鍬入れ。そして四方のお清めへ
式は草刈り、鍬入れへと進み、そのあとに敷地の四方を清めます。これから工事を行う場所を、あらためて意識する場面でもあります。
第1回でご紹介したように、貢川の家では、美術館の緑を日々の暮らしに取り込むことを大切にしてきました。どちらへ景色が開けているか、隣家や道路とどう向き合うか。計画のために見てきた土地が、今度は家をつくる場所として、次の段階を迎えます。
まだ壁も屋根もないこの場所に、基礎ができ、柱や梁が組み上がり、窓がついていく。その過程を経て、敷地の風景はご家族の日々の風景へとつながっていきます。
玉串に願いを込めて
続いて、玉串(たまぐし)を捧げます。ご家族が祭壇に向かい、工事の安全を願いました。土地を鎮める祈りを重ね、式は結びへと進んでいきます。
施工者の皆さんも、順に祭壇へ。さすがに慣れたご様子でした。これから現場で家を形にしていく方々と一緒に、この節目を迎えました。
家づくりは、図面ができたところで終わりではありません。描かれた内容を施工者へ伝え、現場で形にしていく仕事が続きます。ご家族の思いを設計に込め、それを施工へつないでいく。その間を担うことも、設計事務所の大切な役割だと考えています。
同じ日に、建物の配置も確かめる
地鎮祭とあわせて、この日は建物の配置も確認しました。工事監理の記録には、敷地の境界線から外壁までの距離を、立ち会いのもとで採寸して確認したことが残っています。
図面に描いた家を、敷地のどこに置くか。境界からどのくらい離れ、建物の周りにどのくらいの空間が残るか。工事が進む前に、計画と現地を照らし合わせます。
配置は、家の中の間取りと同じように、暮らしに関わる大切な要素です。窓の先の景色、道路や隣家との距離、家の周りの使い方も、建物を置く位置とつながっています。貢川の家で考えてきた緑を楽しむ住まいも、敷地との関係の上に成り立っています。
安全を願う気持ちを、図面との照合や現場での確認へつないでいく。設計者として、こうした工事前の確認から、一つひとつ積み重ねていきます。
家族の暮らしが始まる、その前の記録
式を終えたあとは、全員で記念写真を撮りました。まだ建物のない敷地に、ご家族と家づくりに関わる人たちが並びます。
そして、鎮め物(しずめもの)をお預かりしました。地鎮祭を終え、ここから実際の工事へとつないでいきます。
完成した住まいを見ると、つい建物の姿に目が向きます。その家ができるまでには、ご家族が集まり、子どもも一緒に参加し、つくり手と顔を合わせた、こうした一日もありました。
心地よい住まいをつくるために、敷地を把握し、設計を重ね、施工者と連携する。その歩みをご家族と共有しながら、暮らしの場を形にしていくことを大切にしています。
次回は、建物の位置や高さの基準を現地に示す「丁張」をご紹介します。
株式会社Vent計画設計室









