【キッチンから考える】ダイニングテーブルになじむL型キッチン ― 家具のようにつくったキッチンと食器棚
「住まいをキッチンから考える」。Vent計画設計室が、事務所を始めたときから大切にしている基本です。リビングや玄関が人を迎える[表の場]なら、毎日の作業があるキッチンや水まわりは[かげの場]。私たちは、この[かげの場]の使いやすさと家事動線に、いちばん時間をかけて検討します。
シリーズ「キッチンから考える」では、これまでに設計したキッチンを一つずつご紹介していきます。第1回は、ダイニングテーブルにテイストを合わせたL型キッチンです。置き家具のような食器棚と、食品庫の工夫もあわせてご覧ください。
ダイニングになじむ、家具屋さんがつくったL型キッチン

ダイニング側から見たキッチン。手前の木のカウンターは、収納を兼ねています。
このキッチンは家具屋さんの製作で、材はナラハギ材です。目指したのは、レトロな雰囲気のやさしいキッチンでした。
キッチンはダイニングと同じ空間にあり、いつも目に入る場所です。だから設備機器の並びとしてではなく、ダイニングテーブルと同じ雰囲気の「家具」として計画しました。ワークトップとシンク側の側板はステンレスのヘアライン仕上げで、ナラハギ材の木の質感と組み合わせています。
シンクまわりは、よく使うものをすぐ手に取れる収納に
シンクまわりは、毎日の片付けがラクになるように考えています。
- 鍋類は扉のない棚に置き、出し入れを簡単にしています。
- 調理小物とカトラリーは、シンク近くの引出しに収納します。
- ゴミ箱はシンクの下に収め、引き出して使えます。
- 浄水器をシンク下にビルトインしています。
- 食洗機はミーレ社製を組み込んでいます。
ダイニング側は、カウンターと収納を兼ねた造りです。カウンターの下には、新聞や雑誌を置けるようにしています。
ガスコンロまわりは、オーブンレンジとスライドストッカー
ガスコンロの下にオーブンレンジ、その隣に扉のない鍋の棚。右手のシンク下には食洗機を組み込んでいます。
L型のもう一辺は、ガスコンロまわりです。ガスコンロの下にオーブンレンジを組み込み、その横にスライドストッカーを設けました。調理中に使うものを、立った位置のまま取り出せる配置です。
置き家具のような食器棚
吊戸のガラスは、中身が透けないタイプを選んでいます。
食器棚も家具屋さんの製作で、キッチンと同じナラハギ材でそろえています。両脇には廊下と食品庫へ続く扉があり、その間に置き家具のように納まっています。
- 上の吊戸には、中身が透けないタイプのアンティークガラスを使っています。
- カウンター部分は、調理と配膳のスペースになります。
- 引出しには、お皿やカトラリーを収納します。
- 下段の深い引出しには、お鍋や重いものを入れます。
食品庫と、単純な家事動線
食品庫の棚は、入れるものに合わせて奥行きを変えています。
- 奥行き450mm:お米など、重いもの・大きいもの
- 奥行き300mm:保存食品など
- 奥行き200mm:缶詰など、小さなもの
食品庫のすぐ外には、勝手口とゴミ置き場、駐車場があります。勝手口とゴミ置き場の上には、軒を伸ばしました。
買ってきたものは勝手口から食品庫へ入れ、キッチンを通って洗面所へ。家事の流れをできるだけ単純にまとめています。冷蔵庫の横には、メモやお知らせを貼れるコルクの掲示板もつくりました。
キッチンに立ったときに見えるもの
シンクの前に立つと、正面にダイニング、その先に居間が見えます。料理をしながら家族の様子がわかる位置に、シンクを置きました。
設計のときに描いたパース
設計の段階で描いた手描きのパースです。完成した写真と見比べてみてください。パースは設計段階のもので、仕様は完成時と一部異なります。
おわりに
キッチンの形や収納は、暮らし方によって答えが変わります。Vent計画設計室では同じプランは1件もなく、ご家族ごとに一から考えます。
キッチンを住まいの中心に。住まいはほぼ100%長期優良住宅(耐震等級3/断熱等級6)の認定を受けており、使いやすさと性能の両方から「心地よい暮らし」を目指しています。
キッチンのご相談は、お問い合わせからお気軽にどうぞ。
よくあるご質問
- 家具屋さんがつくるキッチンにも、食洗機は入れられますか?
- 入れられます。この事例では、ミーレ社製の食洗機をキッチンに組み込んでいます。食洗機の機種によって必要な寸法が変わるため、キッチンの設計と一緒に検討します。
- 食品庫の棚は、どのくらいの奥行きがよいですか?
- 入れるものによって変わります。この事例では、お米などの重いものは奥行き450mm、保存食品は300mm、缶詰などの小さなものは200mmと、棚ごとに奥行きを分けました。奥行きを合わせると、奥のものが見えなくなるのを防げます。






